生活水準についてはよくニュースなどでも話題になっていますが、これはどれだけの収入があり、どれだけの生活レベルを維持しているのかといった判断の基準には良いのですが、必ずしも人それぞれが考える幸せの尺度にはなりません。幸せと感じることは人によって違いがあるからです。高い収入を得ることに幸せを感じる人はどれぐらいいるのでしょうか。高い収入で出来ることはたくさんありますが、そこに人としての幸せを見出すことは少数ではないかと思います。お金に余裕があっても、健康でなければ旅行やスポーツを楽しめませんし、日常的な買い物に不便を感じるようでは本当に幸せなのだろうかという疑問が生まれます。つまり、心身ともに健康であってこそ、幸せを感じることが多くあるといういうことではないかと思います。

医療の中でも、それぞれの幸福に対する感じ方や考え方をクオリティ・オブ・ライフという大きな範疇で判断することが増えてきました。人によって幸せを感じることが違うのに、誰もが同じ医療を受けることが必ずしも幸せではない、ということでもあります。がん告知を例にすると分かりやすいかもしれません。告知をされた方が前向きになれると言う人もいれば、知らないままの方が幸せだと考える人もいます。医療に関わる仕事をし、また直接患者に関わる医師や看護師、薬剤師などは、このクオリティ・オブ・ライフという言葉をしっかり認識して患者に接することが求められます。患者一人一人、またその家族とのコミュニケーションによってどのような対応をするのが良いのか、どのような医療を望んでいるのかといった考え方が必要なのです。医療関係の学校で学んできた「共感」ということを、どれだけ理解しているのかといったことにもなります。医療におけるクオリティ・オブ・ライフについては~http://4qualityoflife.net